00. Deba Core Platform

Deba Core Platformは、われわれのresearch ecosystemの基盤となるハダカデバネズミコロニーの維持・繁殖・系統管理・飼育環境最適化を担う中核基盤です。私たちは2010年よりハダカデバネズミの飼育を開始し、現在では国内唯一かつ世界最大規模となる約2000匹、100コロニー以上を維持しています。

ハダカデバネズミは繁殖速度が遅く、真社会性に基づく特殊な繁殖システムを持つため、長期的かつ安定したコロニー維持には高度な飼育・繁殖技術が必要です。本Platformでは、飼育条件の最適化、繁殖効率改善、個体管理体制の整備を通じて、長寿・疾患耐性研究を支える基盤構築を進めています。

さらに、ES細胞樹立・細胞培養系構築などのcellular systems基盤整備も推進しており、遺伝子改変・再構成研究への展開を進めています。Deba Core Platformは、単なる飼育基盤ではなく、ハダカデバネズミ研究を持続的に発展させるための統合的research infrastructureとして機能しています。

プラットフォームリーダー:河辺 美加

研究テーマ

研究材料

当初繁殖に苦労しましたが、様々な検討により繁殖法を確立し、現在は約2000匹を飼育しています。


ハダカデバネズミ

和名 ハダカデバネズミ(以下デバ)
英名 Naked mole-rat
学名 Heterocephalus glaber

アフリカのエチオピア、ケニア、ソマリアのサバンナの地中で暮らす齧歯類です。 地下の低酸素環境(7-8% O2)と地上の通常酸素環境の両方に適応しています。 マウスと同等の大きさながら異例の長寿(最大寿命40年以上)であり、個体老化の大きな指標のひとつである、加齢に伴う死亡率の増加が見られません(死なないわけではないですが、死亡率が一定です)。また、繁殖能力など、様々な身体機能が、加齢しても低下しにくいことが知られています。これらの特徴から、デバは長寿に加えて老化耐性の特徴を持つと考えられています。さらにデバは、自然発生腫瘍がほとんど認められないという発がん耐性を持っています。また、がんのみならず、アルツハイマー病や代謝疾患などの加齢性疾患への抵抗性をもつことが知られています。


ダマラランドデバネズミ

和名 ダマラランドデバネズミ
英名 Damaraland mole-rat
学名 Fukomys damarensis

褐色~黒色の短い体毛で覆われ、 頭に白いパッチ模様があることが特徴です。ハダカデパネズミと同様に、目はあまり見えず嗅覚や聴覚に頼って生活し、大きく突き出た前歯を 使った穴掘りによってイモなどの食料を探します。
平均12匹 (最大40匹)で構成される一家族のコロニーをつくって、地下トンネルで暮らしています。ハダカデバネズミと同じく真社会性動物として知られ、 一対のペアのみが繁殖し、 その他の個体(ワーカー) は繁殖をせずに繁殖個体の手伝いをします。 ワーカーの生殖能力はハダカデバネズミの場合ほど抑えられていません。それでもワーカーがコロニー内で繁殖をしないのは近親交配を明確に避ける性質に よるものと考えられていま す。繁殖個体が死んだ場合、コロニーの中で新たに繁殖個体が出現するわけではなく、コロニーは離散します。


ハダカデバネズミのことをもっと知りたい方へ

主な研究費

公的研究費

科研費 基盤研究A (三浦)
JST 創発的研究推進事業 (三浦)
国際先導研究 次世代ART:哺乳類生殖工学の新展開を支えるグローバルネットワークの構築 (三浦・分担)
JST COI-NEXT 共創の場形成支援プログラム (三浦・分担)
挑戦的研究 (開拓) (三浦)
JST 創発的研究推進事業 (河村)
科研費 基盤研究B (河村)
学術変革A 生殖ライフスパン (河村・分担)
科研費 基盤研究C (河村)
科研費 若手研究 (岡)

財団

武田科学振興財団(三浦)
東レ科学振興会(河村)
内藤記念科学振興財団(岡・三浦)
公益財団法人コーセーコスメトロジー研究財団(岡)

企業との共同研究

株式会社 豊田自動織機
Toyota Konpon Research Institute